古典と現代の融合、表現の新境地

大築千尋によるポスターデザイン「闇と光」

日本文学の精髄を映す、独創的なビジュアルアート

日本の生命、精神、そして文化遺産である古典書籍を探求し研究する国立日本文学研究所のレジデンシープログラムによって実施されたこのプロジェクトは、日本国内外の公衆に向けてそれらを公開することを目的としています。デザイナー大築千尋は、漆芸と油絵、自然と人間の要素を融合させ、古典とモダンスタイルを組み合わせたポスターデザインを創出しました。書籍、文学、芸術の融合を描き、古典文化と芸術の広大な可能性を示しています。

このデザインは、二人のアーティストによって解釈された古典的テーマの本質を捉え、彼らの芸術表現における古典文化の深い影響を強調しています。国立文学研究所が保持する古典テキストと二人のアーティストが創造した作品を多次元的に活用したグラフィックデザインが開発されました。ポスターは印刷物としての機能を保ちながら、環境に配慮した特殊なインクと紙を使用しており、国家関連のプロジェクトにおける高い配慮を反映しています。

515mm×728mmのサイズで、UVオフセット印刷、植物性インク、森林管理協議会(FSC)認証紙を使用しています。古風な漆芸と現代の油絵、自然と人間が融合した特別なデザインのポスターは、古代の物語やテーマに対するアーティストたちの熟考を反映し、伝統文化が彼らの作品に与える顕著な影響を明確に示しています。

2017年に始動したこのプロジェクトは、国立日本文学研究所が培ってきた古典書籍のコレクションと専門家ネットワークを研究者以外にも開放することを目的としています。展覧会はそのプロジェクトの一環で、二人のアーティストを招待し、1月11日から1月17日までの一週間開催されました。

漆芸と油絵、遊びと闇、風景と物語、自然と人、古典とモダン。通常は異なるこれらの要素が、書籍、文学、芸術が交差する空間で共有されるとき、古典文化と芸術のシンフォニーを通じて無限の可能性が確実に生まれるでしょう。私たちは、二人のアーティストによって読まれる古典の時間と空間、そして彼らの表現の根底にある古典文化の可能性を十分に示すポスターデザインを創り出すことを試みました。

このデザインは、2024年のA'グラフィックス、イラストレーション及びビジュアルコミュニケーションデザイン賞でブロンズを受賞しました。ブロンズA'デザイン賞は、経験と創造力を証明する優れた創意工夫に富んだデザインに授与されます。芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを組み込んでおり、強い技術力と創造力を発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることを評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Chihiro Otsuki
画像クレジット: Chihiro Otsuki
プロジェクトチームのメンバー: Chihiro Otsuki
プロジェクト名: Darkness and Light
プロジェクトのクライアント: Chihiro Otsuki


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